ぎんばいか通信

「夏も近づく八十八夜～」

文部省唱歌の『茶摘み』に歌われる八十八夜とはいつのことなのかご存知ですか？

以前気になって調べたことがあるのですが、八十八夜とは立春から88日目のことです。

立春が新暦2月4日頃になるのでそこから88日を数えると5月2日頃にあたります。

つまり5月上旬の今の時期が日本の新茶収穫の最盛期となるわけです。



新芽を出し収穫を待つチャノキ


ただし当然のことながらチャノキが新芽を出し始める時期は気候によって違ってきます。

例えば長崎の嬉野と埼玉の狭山では2週間くらいのズレがあるようですし、国外に目を向けるとその差はさらに大きくなります。


嬉野、5月の茶畑


一番茶、紅茶でいうところのファーストフラッシュ（※厳密には同じではない）のシーズンは北インドやネパールだと3月下旬から4月頃になりますからけっこう早いです。

ダージリン ファーストフラッシュ

ネパールの紅茶

ちなみにスリランカに至っては冬がないためファーストフラッシュというカテゴリーがそもそも存在しません。

というように収穫期にズレのある各地の新茶ですが、これから6月にかけては先に収穫されたダージリンやシッキムのファーストフラッシュが通関して専門店に出てくる時期と日本の一番茶が店頭に並ぶ時期とが重なるお茶にとってのゴールデンタームです。

淡麗で涼やかな初夏の味わいをしっかりお楽しみください。



宇治、4月の茶畑 （©武田綾乃・宝島社／『響け！』製作委員会）
アニメで音楽とか